奄美大島のハゼ最新情報

不明種について専門家の方からご教示していただいた情報,
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アゴヒゲハゼとオスジイソハゼ (どちらも国内生態写真初?) 12/26/2005

今年の12月は異常に寒く困ったもんですが,なぜかそれに反して,嬉しことに珍しいハゼが次々と見られる12月でもありました。

12月1日アップのハヤセボウズハゼ,12月14日アップのトンガリハゼsp.に続いて出た,12月16日ログのアゴヒゲハゼかと思われたハゼと,12月21日ログのイソハゼ不明種について専門家の方に教えていただいたのでアップします。

どちらも,スノーケリングやダイビング中に出会うことは稀なようで,国内生態写真を集めた大著「日本のハゼ」には掲載されていないハゼでした。

まずアゴヒゲハゼかと思われたハゼ,川の師匠Yさんに画像を見ていただいたところ,やはりアゴヒゲハゼと教えていただきました。
アゴヒゲハゼ
Glossogobius bicirrhosus

河川下流,水深約0.5m
長年奄美大島の川を調査しているYさんですら,これまで奄美大島で数個体しか確認していないというアゴヒゲハゼ。やはり特徴は小さなアゴヒゲ(下画像 ログにも載せましたがもう一度)。


もう1つ,12月21日ログのイソハゼ不明種は,ハゼ研究者TSさんとKSさんにオスジイソハゼ幼魚ではないか,と教えていただきました。
オスジイソハゼ幼魚
Eviota zebrina

倉崎ビーチ 水深約10m
この個体は全長1cmあるかないかの幼魚でしたが(成魚は1.5〜2cmくらい),以下のようなオスジイソハゼの特徴が辛うじて見られるようです。
眼から放射状の4暗色帯
(眼下の以外はかなり不明瞭)
尾鰭の暗色横帯
尾鰭基底中央の黒斑とその上下とくに上(背側)が黄色い
オスジイソハゼは,キンホシイソハゼやハナグロイソハゼ似の一見どこにでも居そうなイソハゼですが,国内では報告例がかなり少ないようです(IOP Diving News 92年,vol.3(6)の沖縄島のみ?) よって,奄美大島初&北限になるのかもしれません。

これまでのニュース

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