今回クローズアップするハゼ(2004年12月6日アップ)
奄美大島北部ならではのハゼA
マスイダテハゼ
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マスイダテハゼ
Amblyeleotris masuii
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奄美大島北部での生息環境: |
湾奥の砂泥地斜面
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主に見られたポイント: |
倉崎ビーチ,ピアテグリ
水深15〜25mくらい |
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すっかり季刊のようになってしまった「クローズアップ」のようやく3回目です。
今回は「奄美大島ならでは」と思っているハゼの2回目,マスイダテハゼの登場です!
まずこのマスイダテハゼ,どういう点で「奄美大島ならでは」と言えるかなんですが,図鑑やデータベースに載っているマスイダテハゼの撮影水深と撮影地を表にしてちょっと比べてみると・・・
撮影水深 |
撮影地 |
リファレンス |
50m |
西表島 |
「日本のハゼ」 |
50m |
西表島 |
「日本のハゼ」 |
50m |
西表島 |
「山渓カラー名鑑 日本の海水魚」 |
50m |
沖縄本島 |
魚類写真資料データベース* |
32m |
インドネシア |
「ハゼガイドブック」 |
8m |
奄美大島 |
魚類写真資料データベース* |
15m |
奄美大島 |
魚類写真資料データベース* |
15m |
奄美大島 |
魚類写真資料データベース* |
マスイダテハゼの撮影水深が奄美大島だけヤケに浅いでしょ!そう,奄美大島のマスイダテハゼは他の海域よりも浅い水深(15〜25mくらい)に多数見られます。浅いところにいるぶん他よりもウォッチング,撮影し易く,ハゼ好きの方には是非奄美大島で見てもらいたい「奄美大島ならでは」のハゼなわけなんですね。
さて,このマスイダテハゼの外見上の特徴ですが,図鑑には下のような点が書いてあります。
しかし,上のような特徴は水中ではかなり見辛いです。水中で他のダテハゼ類と見分ける際にわかり易い特徴となるのが,他のダテハゼに比べて体側の帯間が広いことが挙げられるのではないかと思います。
比較のためにマスイダテハゼと他のダテハゼ類を以下に並べてみました。
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マスイダテハゼ A. masuii |
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ニュウドウダテハゼ A. fontanesii |
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ダンダラダテハゼ A. periophthalma |
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ヤノダテハゼ A. yanoi |
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クビアカハゼ A. wheeleri |
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ハチマキダテハゼ A. diagonalis |
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ヒメダテハゼ A. steinitzi |
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ミナミダテハゼ A. ogasawaraensis |
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ダテハゼ属の1種1(未記載種) A. sp. 1 |
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他のダテハゼの多くは,帯間の広さは帯の1〜2倍程度で,マスイダテハゼの帯間(2〜3倍)に比べて狭いです。
ただ,上の画像にもあるようにニュウドウダテハゼもマスイダテハゼと同じくらい帯間が広めで,結構似ています。しかし両者には見分けやすいポイントがあります。それは第一背鰭の黒斑の有無。
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マスイダテハゼの第一背鰭
黒斑なし |
ニュウドウダテハゼの第一背鰭
黒斑あり(上画像の↓) |
この背鰭の黒斑は比較的大きいので海中でも(なんとか)見えます。かなり小さい幼魚のうちからニュウドウダテハゼにはこの黒斑があるので,幼魚の見分けにも便利です。
*魚類写真資料データベース:http://research.kahaku.go.jp/zoology/photoDB/
(「魚類写真資料データベース」には宮古島で撮影された写真も載っているが,写っているハゼは帯の特徴などからマスイダテハゼではなくヒメダテハゼと思われたので,僭越ながら引用しなかった) |
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