奄美大島のハゼ最新情報

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ガレラビーチのトゲナガハゼとトゲナガハゼ属の1種について 11/12/2004

トゲナガハゼ Gladiogobius ensifer(左)
トゲナガハゼ属の1種 Gladiogobius sp(右)

ガレラビーチ,水深約2m


10月17日のガレラビーチログに載せた
トゲナガハゼ属の1種(以下sp.)(上右写真)は,これまでの国内記録は石垣島と西表島なので,奄美大島初記録&北限記録になるようです。

またこのトゲナガハゼ属sp.と同所的に多数見られるトゲナガハゼ(上左写真)も,これまで石垣島でしか記録がなく奄美大島初記録&北限記録で,しかも
国内での生態写真はほとんど撮られていない「レアもの」のようです。

さて,この2種極めてよく似ていますが,識別点を以下に示しました。
まず,「トゲナガ」と名前がついているように頬に長い棘(状突起)を持っているのですが,この長さが両者で異なります。
トゲナガハゼとトゲナガハゼsp.の頬の棘(状突起)の位置
↓拡大

つまりに
トゲナガハゼ対してトゲナガハゼsp.は「トゲミジカハゼ」なわけです。

でも棘の長さを海中で見分けるのは残念ながら不可能です。わかりやすいのは眼下の水色の斑紋。
トゲナガハゼは水色点 トゲナガハゼsp.は水色線

参考文献:
分布情報及び識別点は「日本のハゼ」(初版第1刷,平凡社)より引用


2008年1月26日追記:
上記のトゲナガハゼsp.が新種記載され,コトゲハゼ Gladiogobius brevispinis と名前が提唱されたそうです。