奄美大島で見られるハゼを1種ずつ紹介していこうというコ−ナーです。
奄美大島での生息状況や生態や形態的特徴など観察に役立つ情報をできるだけ書きたいと思っています。
(が,単に思い入れを書くだけになりそう・・・)


今回クローズアップするハゼ(2007年4月2日アップ)

奄美大島ならではのハゼD

マイ通称・アマミシゲハゼ



マイ通称・アマミシゲハゼ
Cryptocentrus sp.
奄美大島での生息環境: 湾内の砂泥地


クローズアップ「奄美大島ならではのハゼ」シリーズの5回目,今回はいままで2回(2匹)しか見たことがないイトヒキハゼ属の1種・マイ通称「アマミシゲハゼ」です。


倉崎ビーチの固有種???

いままで見た2回(2匹)はいずれも倉崎ビーチで。奄美大島の他のポイントではまだ見たことがないです。

また,奄美大島以外の場所では今のところ見つかっていないらしく,暫定「倉崎ビーチの固有種???」なハゼです。

追記:2011年7月6日倉崎ビーチ以外の奄美大島の海中でこのハゼを見ました⇒2011年7月6日
マイ通称をクラサキシゲハゼからアマミシゲハゼに変更しました
1匹目のアマミシゲハゼ
全長5cmくらい
2004年7月撮影
2匹目のアマミシゲハゼ
全長5cmくらい
2006年10月撮影
撮影 ゲストのOさん
ほんとうに固有種か?以下近似種と見比べてみました。


近似種・・・その1 イトヒキハゼ属の1種・通称ホワイトアイ

イトヒキハゼ属の1種・通称ホワイトアイ(成魚)
近似種その1は,「日本のハゼ」のイトヒキハゼ属の1種‐1で,沖縄本島では通称・ホワイトアイと呼ばれているらしいです。

アマミシゲハゼは,ホワイトアイの幼魚ではないか?という説もあるんですが,第一背鰭の違いから私は別種ではないかと思っています。

アマミシゲハゼと同じくらいの大きさ(全長約5cm)のホワイトアイ幼魚の第一背鰭は,ホワイトアイ成魚(上画像)と同様に四角くて前部に黒点が明瞭です。
全長約5cmのホワイトアイ幼魚
一方,アマミシゲハゼの第一背鰭は,三角に近く,前部の黒点もほとんどないです。
アマミシゲハゼ(全長約5cm)の第一背鰭
同一個体の別カット


近似種・・・その2 シゲハゼ

実は私以外にもう一人だけ,アマミシゲハゼの目撃者がいます。その貴重な生き証人(ちょっと大袈裟ですが笑)はゲストのOさん

Oさんは世界中でマクロ生物を撮られていて,ハゼにもとても詳しいですが,Oさんによると「シゲハゼに似ている」とのこと。

このOさんのシゲハゼ近似説からマイ通称「アマミシゲハゼ」と名づけたんですが,伊豆から高地までしか分布していないシゲハゼを残念ながら私はまだ見たことがないです。

よって私はシゲハゼアマミシゲハゼを比べられないんですが,Oさんによるとシゲハゼの第一背鰭はもっと長く伸びるらしいです(Oさんアマミシゲハゼページ)。

アマミシゲハゼは分布域や第一背鰭の違いから,シゲハゼともどうも別種のようです。


今後も要観察

ほんとうに固有種か?・・・近似種2種とは別種のようですが,いままで見たアマミシゲハゼ2個体とも発見から1週間程度で姿を消してしまい,あまり観察できていない,というのが今のところの現状です(残念)。よってあくまでも暫定固有種ということで・・・。

今年もまた現われてくれて,今度こそじっくり観察したいところです。



これまでにクローズアップしたハゼ

トゲナガハゼ

ホクロハゼ

マスイダテハゼ

ハゼ科の1種(通称クモハゼモドキ)

オビシノビハゼ

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